「教育にひそむジェンダー」中野円佳著

公開日: 更新日:

「教育にひそむジェンダー」中野円佳著

 コロナ禍の外出制限中、著者は、当時小3の息子と5歳の娘に漫画「世界の歴史」を読み聞かせる。息子はそれなりに関心を持つが、娘は基本的にはつまらなそうで、作中に女の子や王妃ら女性が登場するシーンだけ身を乗り出したという。

 娘は男性の登場人物には共感しづらいようだが、「世界の歴史」に女性は出てきてもすぐ消え、基本は脇役だ。このまま同書を読むだけでは「女の子は脇役」というステレオタイプを娘に植え付け、悪影響しかないのではないかと危惧したという。

 本書では、このように家庭や教育現場、そして子どもたちが接するメディアで私たちがジェンダーについていかにステレオタイプに支配されているかを検証。それらを打破する取り組みについても紹介するテキスト。 (筑摩書房 946円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  2. 2

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 5

    菊乃井・村田吉弘さんが日本食の高級化に苦言…「予約が取れない店がもてはやされるのはおかしい」

  1. 6

    フジテレビを襲う「女子アナ大流出」の危機…年収減やイメージ悪化でせっせとフリー転身画策

  2. 7

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  3. 8

    "日枝案件"木村拓哉主演「教場 劇場版」どうなる? 演者もロケ地も難航中でも"鶴の一声"でGo!

  4. 9

    【埼玉・八潮市道路陥没「2次被害」現場ルポ】発生2週間、水は濁り死んだ魚が…下水放流地で見た河川の異変

  5. 10

    ロッテ吉井監督が佐々木朗希、ローテ再編構想を語る「今となっては彼に思うところはないけども…」