「地面師たちアノニマス」新庄耕著

公開日: 更新日:

「地面師たちアノニマス」新庄耕著

 2010年4月、3年前に起きた地面師による詐欺事件を捜査する警視庁捜査2課の刑事・辰らは、首謀者のハリソン山中の逮捕にこぎつける。

 取り調べ中、黙秘を貫く山中だが、辰と2人だけになると、突然話し始めた。山中はなぜか辰が妻と別居中で兄の家に居候していることまで知っていた。さらに、山中は大学に通う辰の次女が風俗店でバイトをしていることやその源氏名まで告げる。夜、半信半疑でその店を訪ねると、確かに次女が在籍していた。数日後、山中の不起訴が決定。検察に問い合わせても納得できる答えは返ってこない。(「街の光」)

 ほかに法律屋の後藤やニンベン師の長井など、ハリソン山中が率いる地面師グループのメンバーの過去を描くスピンオフ短編7編を収録。

(集英社 693円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘