「バブルリゾートの現在地」吉川祐介著
「バブルリゾートの現在地」吉川祐介著
かつて堅実な資産として機能していた不動産が、今や売ろうにも売れず、放棄することもできず、所有するだけでコストがかかる「負債」と化した「負動産」と呼ばれる事例が多発している。
その最たるものがリゾートマンションだ。バブル期にスキーリゾートとして注目を浴びた新潟県湯沢町の苗場エリアでは、数千戸のリゾート物件が負動産化。築年数や部屋の階数、床面積に関係なく10万円前後で大量に売り出されているという。
区分所有法によって規定されるマンションでは、外壁のタイル1枚にしても居住者1人が独断で修繕することが許されないなど、近年の空き家問題とはまた異なるさまざまな課題が生じる。
苗場の実態を紹介しながらリゾートマンションの現状を伝える警世の書。
(KADOKAWA 1100円)