著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

「納豆」の摂取量が多い女性は心房細動のリスクが低い

公開日: 更新日:

「心房細動」は脳卒中や心不全の原因にもなる不整脈で、高齢化とともに患者数は増え続けています。自覚症状が乏しいまま進行することも多く、気づいた時には重い合併症を招くケースも少なくありません。

 最近、日本人を対象にした前向き研究で、心房細動と意外な食品との関連が報告されました。大阪府吹田市の住民を長期間追跡した研究によると、「納豆」の摂取量が多い女性では、心房細動の発症リスクが低い傾向が示されたのです。一方、男性では明確な関連は認められませんでした。

 この研究では、納豆や豆腐などの大豆食品摂取量を調べ、年齢や血圧、喫煙、飲酒などの影響を調整した上で解析しています。特に女性では、納豆を多く食べる人ほど心房細動の発症が少なく、納豆に含まれるビタミンKやイソフラボンなどが関係している可能性が示唆されました。女性ホルモンとの相互作用も一因ではないかと考えられています。

 ただし、ここで注意したいのは、この結果は「因果関係」を証明したものではないという点です。納豆を食べたから心房細動にならない、という単純な話ではありません。観察研究である以上、健康意識の高い人ほど納豆を食べている可能性も否定できません。

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