「夫婦じまい」あさのあつこ著
「夫婦じまい」あさのあつこ著
人の縁を結んだり切ったりするのを生業としている「えにし屋」の才蔵とお初に、蔵前の米問屋「御蔵屋」から依頼が来た。御蔵屋の娘、お藍(らん)は米問屋「吉井屋」に嫁いだが、2年足らずで離縁された。明るい娘だったお藍は実家に戻って以来、暗い顔をして部屋にこもりがちで、なぜか怯えている様子だという。
娘の再縁を願う父・寿太郎に頼まれてお初は聞き込みを始めるが、人混みの中で一瞬、首の後ろに鋭い痛みを感じた。殺気に近い気配が……。そして、お藍が井戸で飛びこみ自殺を図るという事件が起きる。
男に生まれたが、女の姿で頼まれた厄介ごとを解決するお初が活躍するミステリー時代小説。
(角川春樹事務所 1870円)