「小栗上野介」蜷川新著
「小栗上野介」蜷川新著
幕末期の幕臣・小栗上野介忠順(1827~1868)の評伝。
江戸武士の本質を身につけていた小栗は、大老井伊直弼に見いだされ、万延元(1860)年、33歳にして第1次遣米使節の監督役を拝し渡米。帰国後は、外国奉行を皮切りに、勘定奉行や江戸町奉行、歩兵・軍艦・陸軍奉行などを歴任。内政から外交、国防、財政まで、政治の全般にわたって欧米式の方策を立てて日本に文化をもたらした優れた政治家だった。
しかし、将軍徳川慶喜が大政奉還を決断。もはや江戸にいる必要はないと慶応4(1868)年、帰農するために上野国(群馬県)に移り住むが、朝廷派によって「反逆者」の汚名を着せられ、当地で惨殺される。小栗が歴史に果たした功績とその素顔を伝える。 (河出書房新社 990円)


















