著者のコラム一覧
秋山香乃作家

1968年、福岡県生まれ。「歳三 往きてまた」で作家デビュー。主な著書に「晋作蒼き烈日」「漢方医・有安 波紋」「群雲に舞う鷹」「氏真、寂たり」「無間繚乱」などがある。

(13)新次の悪意に満ちた声が蘇る

公開日: 更新日:
イラスト・チユキクレア

 千沙の中で激しい怒りが煮えたぎった。実際、生まれてこの方、ここまで憤りを覚えたことはなかった。

 だのに、さらに許しがたい話が、姉の初の口から飛び出す。

「役立たずなんだって、わたし」

「なんですって」

「養子に迎えてくださった美濃部様から、そう言われた… 

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