古文に記された鳥たちは現代と同じ種か「古文鳥類学」三上修著
「古文鳥類学」三上修著
ヒバリやホトトギスなど、現代人にもなじみのある鳥たちは、古文に数多く登場する。日本最古級の歴史書である「日本書紀」には約34種の鳥が、和歌集「万葉集」には4500首以上の歌のうち、鳥及び鳥に関係のある歌は600首弱で、多い順からホトトギス、ガン、ウグイス、ツルだそうだ。
本書は、古文に記されたさまざまな鳥を取り上げ、人々が生活の中で鳥の存在をどのように捉えてきたのか、また当時の生物学的知識や技術、歌などに書かれたそれら鳥が、現代においてそう呼ばれている種とみなせるかまでを、鳥類学者の視点で探るおもしろ読み物。
古文では「霍公鳥」「郭公」などと書いてホトトギスと読むが、「郭公」の字は現代人からすればカッコウではないかと疑問を持つ。しかしこれらホトトギスが「夜」と組み合わせて歌われている場合、ホトトギスの可能性が高い。ホトトギスは夜に鳴き、カッコウは夜にめったに鳴かないからだ。一方、万葉集の「かく恋ふ」という歌に書かれた「霍公鳥」は、「かく恋うと告げてくれ」の意味からカッコウを指していると考えられるという。
スズメをかわいいと言った清少納言、夫婦の交わりをセキレイから学んだイザナギノミコトなど、歌から古の人々の生活も垣間見え、地続きの歴史を感じる。
(岩波書店 1870円)



















