日本人にグルテンフリーは糖尿病のリスク「最新 欧米人とはこんなに違った日本人の『体質』」奥田昌子著

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「最新 欧米人とはこんなに違った日本人の『体質』」奥田昌子著

 ネットや雑誌には、さまざまな健康法が紹介されている。例えば、グルテンフリーで腸内環境を改善、ナッツとオリーブ油でダイエット、骨を強くするため牛乳を飲む。本書によればこの3つ、いずれも間違いだ。正確にいえば、欧米人には有効でも日本人には効果が期待できないという。なぜなら欧米人と日本人は体質が違うからだ。体質が違えば、健康法や病気の予防法、治療法も異なる。本書は、体質に焦点を当て、日本人にとって本当に有効な健康法と予防法を解説する。

 体質は持って生まれた遺伝子を基礎として、食生活や生活習慣の影響を受けて長い間に育まれたもの。つまり遺伝的要素と環境要因の相互作用によって形成されることで人種による違いが生じるのだ。多民族国家の米国では、人種による体質の違いを踏まえてそれぞれの人種に最善の医療を提供する人種差医療が導入されている。また先の新型コロナ感染症の際には、東アジアと東南アジアの感染率が低かったことが明らかにされている。

 日本人は穀物から食物繊維と植物性タンパク質を摂取するという生活を長く送ってきた。そうした体質にとってグルテンフリーは効果がないだけでなく、糖尿病のリスクが高まることにもなる。また日本人は欧米人に比べて動脈硬化を起こしにくいのだが、その要因のひとつに魚を食べることでコレステロールの善玉HDLが多いからだとされている。とはいえ、戦後日本人の食生活は従来のものから欧米式へと大きく変化しており、近年の日本人の体質に変化が生じていることも事実。脳出血による死亡率が下がる一方、前立腺がん、乳がんは増加している。

 著者が強調するのは、遺伝子の要因があるにしても、大事なのは日常の生活習慣だということ。喫煙、飲酒、過食、運動不足はあらゆる病気のリスクとなっていて、それを避けるのが何よりの健康法なのだ。 〈狸〉

(講談社 1210円)

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