(1)海風が冷たく耳たぶがちぎれそう
〈1〉
文久二年(一八六二)十二月一日、空には雲ひとつ無く、青く晴れ渡っていた。
井筒屋の女将である糸は、綿を天日干しするために干場にいた。
海風が冷たく耳たぶがちぎれそうなほど痛い。
品川の街道を道行く人々もいつもより足早で、身をこごめて通り過ぎ…
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