「昭和界隈」朝日新聞フォトアーカイブ協力

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「昭和界隈」朝日新聞フォトアーカイブ協力

 相変わらず若い世代に「昭和レトロ」が人気のようだが、人はなぜ昭和に引かれるのだろうか。

 本書でその答えが見つかるかもしれない。大手新聞社の膨大なアーカイブの中から、昭和の人々の暮らしや社会風俗、時代の息遣いを感じられる写真を編んで紹介するビジュアルブックだ。

 おんぶした赤ん坊をあやしながら授業を受ける少女(昭和25年)や道路を遊び場に「ホッピング」に興じる下町の男の子たち(同32年)、病院でストレッチャーに乗せられて運ばれる大勢の新生児たち(同45年。翌年には第2次ベビーブームが到来)など、巻頭では子どもをテーマにした記録写真が並ぶ。

「はたらく」をテーマにした章では、自動車の激増で林立したガソリンスタンドが集客狙いで配置した「ガソリンガール」(同6年)や、鉄道踏切の遮断機を手で上げ下げする女性の「踏切警手」(同23年)、映画が娯楽の王様だった時代に上映が終わった映画フィルムを使いまわすために次の映画館へと自転車で運ぶ「かけもち屋」(同28年)など、今では消えてしまった職業の人たちの働く姿もある。

 社員を慰労するため熱海のホテルで催された参加者700人の「マンモス温泉宴会」(同43年)など、当時の世相が伝わってくる写真もある。

 ほかにも、家に初めてやってきたテレビで大相撲を観戦する一家(同35年)や、国民学校の運動会の親子競技で懸命に走る一家(同21年)など「家族、ご近所」をテーマにした写真なども収録。

 どのページにも、今日より明日が良くなることを信じ、前向きに生きる人々のパワーが写りこんでいる。その前向きさこそ、令和の今、持ちたくてもなかなか持てないものかもしれない。

(朝日新聞出版 2200円)

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