著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

頭痛薬の飲み過ぎが“ほぼ毎日頭痛”を引き起こす…MOHという悪循環

公開日: 更新日:

 頭が痛いから薬を飲む──。これはごく自然な行動です。ところが、その薬が原因で頭痛が慢性化することがあるのです。それが「MOH」(薬剤の使用過多による頭痛)です。英語では「Medication Overuse Headache」といいます。名前の通り、鎮痛薬を使い過ぎることで起こる頭痛です。

 市販の解熱鎮痛薬や片頭痛治療薬(トリプタン製剤など)を、月に何度も繰り返し使っているうちに、次第に薬が効きにくくなり、飲まないと頭が痛くなる……。やがて、「ほぼ毎日頭痛」という状態に陥ります。特に注意が必要なのは、月に10日以上(薬の種類によっては15日以上)を3カ月以上続けて服用しているケースです。真面目な人ほど「ガマンせず早めに飲もう」と考えがちですが、それが悪循環を生む場合もあります。

 MOHの怖いところは、“頭痛を治そうとしている行為”が、逆に頭痛を固定化してしまう点です。脳が痛みに過敏な状態になり、薬の刺激に依存するようなメカニズムが関係していると考えられています。

 では、どうすればいいのでしょうか? 基本は原因薬剤の中止や減量ですが、自己判断で急にやめると一時的に頭痛が悪化するケースもあります。ですから、医師の管理の下で計画的に調整することが重要です。また、予防薬の導入や生活習慣の見直しも有効です。

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