「猪木芸人」仲間 アントニオ小猪木が語る春一番の思い出
3日、アントニオ猪木(71)のモノマネで知られる春一番(本名・春花直樹)さんが都内の病院で肝硬変のため死去した。47歳だった。春一番さんは「猪木芸人」のパイオニア的存在で、唯一の“本家公認”。大の酒好きで、05年には腎不全で入院。骨粗しょう症も併発して長期休養を余儀なくされていた。復帰後は酒量に気を使いながらの生活に切り替えていたが、亡くなる前日の2日も飲酒。3日の午前6時ごろ、呼吸をしていないことに夫人が気付き、緊急搬送された。
同じ「猪木芸人」のアントニオ小猪木(42)は「(3日の)お昼ごろに聞きました。体調が悪いのは知っていましたけど、まさかこんな形になるとは思わなかった。急すぎて……。春さんは雲の上の存在でしたが、思い出は数え切れません」とショックを隠しきれない。
「最後に会ったのは2カ月半くらい前。新宿の『アントニオ猪木酒場』で『IGFプロレスリング前夜祭』があって、久々にお会いしました。いつもと変わらない雰囲気でお酒も飲んでいたし、具合が悪いなとは感じなかった。9年前、(腎不全で)入院する直前のときもイベントでご一緒させてもらっていて、そのときは車椅子で現場に来ていました。体調が悪そうで、入院された後、お見舞いに行きましたが、その時は穏やかな感じで想像以上に元気だったので安心したのを覚えています。現場にはいつも奥さんが付き添っていた。僕は奥さんにもお世話になっていたので、ご夫婦共々感謝しています」
猪木のモノマネ一本で勝負し続けていた春一番さんには、譲れないこだわりがあった。あるとき、小猪木にこんなことを言っていたという。
「オレは“そっくりさん”じゃない。芸人なんだ」
また一人、味のある芸人がこの世を去った。