中村雅俊主演 NHKドラマ「妻たちの新幹線」の出来栄え
■テレ東には負けじ!
「収録後に新幹線に乗った時は“俺がつくった”という実感がありました」
宮城の片田舎出身と自虐してみせた中村雅俊(63)。新幹線デビューは今から40年以上前、慶大生の時だったらしい。19日に開かれたNHKドラマ「妻たちの新幹線」(10月13日19時半~、総合)の完成試写会で、主演作の手ごたえをこう語った。
小説「新幹線をつくった男 島秀雄物語」(高橋団吉著)を原案としたドラマ。蒸気機関車のデゴイチや初代東海道新幹線0系の生みの親で、今世紀最大のエンジニアと称される鉄道マンが主人公だ。ドラマを制作したNHK名古屋放送局のテレビ放送60周年、そして新幹線開業50周年のダブル周年を記念して作られたという。戦後の高度成長期でイケイケドンドンだった時代が舞台。閉塞感漂う現代の空気を払拭するには、もってこいなのだろう。ちょうど10年前の04年、テレビ東京開局40周年の際にもドラマ化された。
もっとも今作は男のドラマを描いた小説とは異なり、「『ごはんと家族と新幹線』という題名を考えたぐらい、夫を支える妻や家族のエッセンスを足した」(脚本家の大森美香氏)という内容。妻役の南果歩(50)も「家庭にいながらも一個人として認められ、間接的に社会に関われる幸せな主婦を演じられた」と解説していた。