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野地秩嘉ノンフィクション作家

1957年、東京生まれ。早稲田大学商学部卒。出版社勤務などを経てノンフィクション作家に。人物ルポルタージュや食、芸術、文化など幅広い分野で執筆。著書に「サービスの達人たち」「サービスの天才たち」『キャンティ物語』「ビートルズを呼んだ男」などがある。「TOKYOオリンピック物語」でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。

<第9回>映画に出るか出ないかは「ホン」のひと言で決めた

公開日: 更新日:

「なぜ、このシーンがあるのだろう」と不思議に思えてくるが、彼も独特のエネルギーと存在感で他の役者を圧倒している。本作は高倉健の魅力だけが目立つ映画ではなく、アンサンブルの妙、脇役陣の確かさを感じる映画だ。

 降旗監督は高倉健の役どころについて、こう語った。

「居酒屋兆治の主人公は名もない庶民です。立ち回りもなく、庶民が黙々と自分の務めを果たす映画です。キャラクターに魅力がある主人公ではありません。しかし、私はあの時期、健さんはヒーローよりも一般の人間を演じたいのではないかとふと思ったのです」

▽のじ・つねよし 1957年生まれ。美術展のプロデューサーを経て作家活動へ。「サービスの天才たち」(新潮新書)、「イベリコ豚を買いに」(小学館)など著書多数。最新刊は「アジア古寺巡礼」(静山社)。「高倉健インタヴューズ」(プレジデント社)が話題に。

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