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野地秩嘉ノンフィクション作家

1957年、東京生まれ。早稲田大学商学部卒。出版社勤務などを経てノンフィクション作家に。人物ルポルタージュや食、芸術、文化など幅広い分野で執筆。著書に「サービスの達人たち」「サービスの天才たち」『キャンティ物語』「ビートルズを呼んだ男」などがある。「TOKYOオリンピック物語」でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。

<第11回>監督は「OK」なのに健さんが「もう一度やろう」

公開日: 更新日:

 映画の舞台は横浜。元町商店街、港の見える丘公園などが出てくる。製作は横浜に近い東映の大泉撮影所だとばかり思っていたけれど、クレジットは東映の京都撮影所。出演者、スタッフともにロケの際は京都から横浜に出張してきたのである。見どころは何といってもラストの高倉健のアップだ。

 降旗監督はこう語る。

「健さんが悪役の小池朝雄さんを刺して終わりがラストです。しかし、ラストのカットは健さんが振り返ってカメラを見つめるところ。監督の私としてはいちばん長く撮ったカットで、振り返ってからレンズを見つめる時間が50秒はありました。それで、やっと終わって、お疲れさんとなったのですが、私がスタッフルームに戻ったら、健さんとカメラの仲沢(半次郎)さんの2人が入ってきた。

『降さん、もう一遍、撮ろうよ』

 私が見ていた分にはOKだったのですが、健さんも、カメラをのぞいていた仲沢さんも『気』が足りなかったと感じたのでしょう。そこで、もう一度、撮り直したものが『冬の華』で使われています」

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