著者のコラム一覧
野地秩嘉ノンフィクション作家

1957年、東京生まれ。早稲田大学商学部卒。出版社勤務などを経てノンフィクション作家に。人物ルポルタージュや食、芸術、文化など幅広い分野で執筆。著書に「サービスの達人たち」「サービスの天才たち」『キャンティ物語』「ビートルズを呼んだ男」などがある。「TOKYOオリンピック物語」でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。

<第11回>監督は「OK」なのに健さんが「もう一度やろう」

公開日: 更新日:

【冬の華 1978年・東映】

 本作は高倉健ファンの間では「任侠映画以降、もっとも健さんの立ち回り、格闘シーンが冴えている映画」とされている。彼の役どころは一家を担う若頭。同じ組にいた友人(池部良)が裏切ったことを知り、高倉扮する加納秀次は、池部を殺す。池部には幼い娘(池上季実子)が残されていた。出所してきた加納は伯父と偽り、娘に手紙を送り、彼女が育つ様子を見守る。

 加納は堅気になるつもりでいたが、組の親分が殺され、跡を継いだ息子(北大路欣也)が仇敵(小池朝雄)をつけ狙うことを知る。恩人である親分の息子に罪を犯させたくない加納は自ら敵と対決する。

 コッポラの「ゴッドファーザー」を見た東映関係者が降旗康男監督と脚本家の倉本聰に「健さん主演で和製ゴッドファーザーをやってほしい」と頼んで、製作された映画だという。

 そういえば、北大路欣也はマイケル・コルレオーネ役のアル・パチーノをほうふつさせるし、悪役連中がそれぞれ殺される最後のシーンは「ゴッドファーザー」のラストに酷似している。

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