五木寛之氏「親鸞の最後は無造作に書く。それは決めていた」

公開日: 更新日:

 壮大なスケールで描かれた小説「親鸞」。その「完結篇」が先月、講談社から出版された。平安末期から鎌倉時代、激動の世を生き抜いた親鸞は90歳で静かに人生の幕を閉じる。その「死に際」に作者が込めた思いとは?

――3部作、全6巻という大作ですが、もう息もつかせないというか、一気に読みました。

 これは新聞小説で、北海道新聞から琉球新報までの30~40数社、全部合わせると大変な数字で驚きました。新聞小説は明治以降、何度か全盛期があるんですが、ここ10~20年くらいはお飾りのような存在、位置づけの新聞社もあったんじゃないでしょうか。僕は人がやってないことをやるのが好きだから、そこまで新聞小説が見放されているんなら、やってやろうじゃないか、という気になりましてね。あとから単行本にするとか一切考えずに一日一日、3枚足らずの物語の中に起承転結をつくって、明日はどうなるんだろう、待ちきれないという状況をつくってやろうと。密かな志を抱いて書いたんです。書き終えて、新聞小説に殉じたというか、最大限のロイヤルティーを尽くしたという気持ちです。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  3. 3

    上野樹里“ガン無視動画”にネット騒然! 夫・和田唱との笑顔ツーショットの裏のリアルな夫婦仲

  4. 4

    巨人・阿部監督に心境の変化「岡本和真とまた来季」…主砲のメジャー挑戦可否がチーム内外で注目集める

  5. 5

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  1. 6

    松本潤&井上真央の"ワイプ共演"が話題…結婚説と破局説が20年燻り続けた背景と後輩カップルたち

  2. 7

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」

  3. 8

    参政党トンデモ言説「行き過ぎた男女共同参画」はやはり非科学的 専業主婦は「むしろ少子化を加速させる」と識者バッサリ

  4. 9

    松本潤「19番目のカルテ」の評価で浮き彫りに…「嵐」解散後のビミョーすぎる立ち位置

  5. 10

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ