復活間近 石井聰亙「狂い咲きサンダーロード」の魅力とは

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 石井岳龍(旧名・聰亙)監督の「狂い咲きサンダーロード」をご存じだろうか。1980年に公開され、バイオレンス描写が高く評価された作品である。その「狂い咲き」の復活のプロジェクトがブルーレイ化に伴い動きだすという。

 長らく紛失していた撮影時の16ミリのネガフィルムが昨年、ある倉庫から発見されたことがきっかけだ。キズなどを修復し、公開時のクオリティーを維持したバージョンが出来上がった。

 冒頭シーンの凄まじさを思い出す。ライトが煌々とする何台ものバイクが爆音をあげ、そこに強烈なロックが流れる。映画史上でも類例を見ないようなド迫力のオープニング場面だった。

 映画は、近未来を舞台に暴走族の男が組織をはみ出し、まさに荒れ狂うさまを描く。ダイナミックな映像とけたたましいロックの音楽が、男のとめどない暴力衝動そのもののような作品だった。

 公開時の80年前後の時代を改めて思い出す。邦画のインディペンデント映画の幕開けだった。石井監督の他にも大森一樹、柳町光男、横山博人、森田芳光、長崎俊一監督らがデビューを飾った頃で“邦画ニューウエーブ”到来と喧伝された。

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