復活間近 石井聰亙「狂い咲きサンダーロード」の魅力とは

公開日: 更新日:

 石井岳龍(旧名・聰亙)監督の「狂い咲きサンダーロード」をご存じだろうか。1980年に公開され、バイオレンス描写が高く評価された作品である。その「狂い咲き」の復活のプロジェクトがブルーレイ化に伴い動きだすという。

 長らく紛失していた撮影時の16ミリのネガフィルムが昨年、ある倉庫から発見されたことがきっかけだ。キズなどを修復し、公開時のクオリティーを維持したバージョンが出来上がった。

 冒頭シーンの凄まじさを思い出す。ライトが煌々とする何台ものバイクが爆音をあげ、そこに強烈なロックが流れる。映画史上でも類例を見ないようなド迫力のオープニング場面だった。

 映画は、近未来を舞台に暴走族の男が組織をはみ出し、まさに荒れ狂うさまを描く。ダイナミックな映像とけたたましいロックの音楽が、男のとめどない暴力衝動そのもののような作品だった。

 公開時の80年前後の時代を改めて思い出す。邦画のインディペンデント映画の幕開けだった。石井監督の他にも大森一樹、柳町光男、横山博人、森田芳光、長崎俊一監督らがデビューを飾った頃で“邦画ニューウエーブ”到来と喧伝された。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ