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大高宏雄映画ジャーナリスト

1954年浜松市生まれ。明治大学文学部仏文科卒業後、(株)文化通信社に入社。同社特別編集委員、映画ジャーナリストとして、現在に至る。1992年からは独立系を中心とした邦画を賞揚する日プロ大賞(日本映画プロフェッショナル大賞)を発足し、主宰する。著書は「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など。

映画「シュート!」ではじけた SMAPメンバー若き日の青春

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 SMAP解散のニュースはリオ五輪をしのいだ。さすがである。戦後日本のアイドル史のなかで、抜きんでた存在だからだろう。ヒット曲やドラマ、バラエティー番組での功績があちこちで取り上げられていたが、不思議なことに彼らが主演した映画に関する報道は少なかった。

 ジャニーズ事務所の映画活動は、たのきんトリオ作品の大ブームから本格化する。80年代のことだ。以降、他のグループや個人が主演する作品も話題になるが、時代がSMAP黄金期に突入すると、映画出演も活発化し、ヒットのスケールは格段に大きくなっていく。

 ピークは、06年から08年あたりだろう。キムタクの「HERO」「武士の一分」、草彅剛の「日本沈没」、香取慎吾の「西遊記」、中居正広の「私は貝になりたい」などが集中した時代だ。この5作品で総興収250億円近くになる。

 06年といえば、邦画と洋画の興収シェアが逆転した年。長らく日本の映画市場は洋画が邦画のシェアを上回っていたが、同年を境に邦画の好調が目立ってくる。つまり、SMAPの映画は邦画復調のひとつのきっかけを作ったのである。テレビやCMだけでなく、メンバーが個々に活躍するSMAP特有のスタイルは低迷していた邦画の“失地回復”に寄与したのだ。

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