碓井広義
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碓井広義上智大学教授(メディア文化論)

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授、東京工科大学教授を経て現在、上智大学文学部新聞学科教授。専門は放送を軸としたメディア文化論。著書に「テレビの教科書」ほか。

長谷川博己が「獄門島」で創り出した新たな金田一耕助像

公開日:

 先週土曜の夜、NHKBSプレミアムで、横溝正史原作「獄門島」が放送された。これまで何度も映像化され、何人もの俳優が探偵・金田一耕助を演じてきた作品だ。

 昭和20年代の片岡千恵蔵はともかく、市川崑監督作品での石坂浩二(75)の印象が強い。またドラマ版では古谷一行(72)を中心に、片岡鶴太郎(61)、上川隆也(51)などが金田一に扮してきた。そして今回、長谷川博己(39)に驚かされた。これまでとは全く異なる金田一だったからだ。

 石坂や古谷が見せた、どこか“飄々とした自由人”の雰囲気は皆無。暗くて重たい変わり者がそこにいた。背景には金田一の凄惨な戦争体験がある。南方の島での絶望的な戦い。膨大な死者。熱病と飢餓。引き揚げ船の中で金田一は戦友の最期をみとり、彼の故郷である獄門島にやって来た。また事件そのものも、戦争がなかったら起きなかったであろう悲劇なのである。

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