マクドナルドの光と影 「ファウンダー」盛況の3つの理由
お盆連休最終日となった20日の昼下がり。東京・有楽町にある「角川シネマ有楽町」のエレベーターホールには人だかりができていた。観客らのお目当ては、米映画「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」(ジョン・リー・ハンコック監督)。創業者という意味のタイトル通り、世界最大の外食チェーン「マクドナルド」の誕生秘話を描いた実話モノだ。
同作の公開は7月29日。すでに1カ月近く経っているにもかかわらず、単館系の興行収入ランキングで3週連続トップ(8月13日付)を記録し、客足はいまも衰え知らず。
「上半期上位の興収をマークした仏カンヌのパルムドール作『わたしは、ダニエル・ブレイク』超えは確実」(映画ジャーナリストの大高宏雄氏)というフィーバーぶりだ。
物語は1954年、うだつの上がらないシェークミキサーの営業マンだった52歳のレイ・クロックが、マック&ディック・マクドナルド兄弟と出会った当時を描く。たった30秒でハンバーガーを提供するという兄弟が発案したシステムと経営哲学に惚れ込み、フランチャイズ化を画策するレイ。