「知的財産奪取は訴訟を起こしてもおかしくない犯罪だ」

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倉本 これはもう誰か訴訟を起こしてもおかしくない犯罪だと思っています。誰も起こしませんけどね。

碓井 もちろん視聴者も見ることができないわけで、大損害です。また、それと同じくらい先生の憤りを感じたのが、シナリオについての指摘。第63回で、「今のホン屋(脚本家)は人を書くことより筋を書くことが大事だと勘違いしている。視聴者は筋より人間を描くことを求めているんだけどな」と、菊村(石坂浩二)に言わせています。これは実感ですか。

倉本 実感ですね。筋と呼ばれる、いわば、おおまかな展開から描いてしまうと、人のことを考えていないから、化学反応が期待できない。

碓井 登場人物たちによる化学反応ですか。

倉本 AとBが出会った瞬間からしか考えないで、とりあえず、都合よく出会わせてしまえっていうね。役者でたとえるなら……最近の役者の名前知らねえからな。ええっと、昔の役者でいえば、ショーケン(萩原健一)と桃井かおりが出会うのと、草刈正雄と大原麗子が出会うのでは、役者同士だけ見ても違うと思うんですね。

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