社会派映画「デトロイト」 なぜ賞レースで黙殺されたのか

公開日: 更新日:

 批評家や観客の評価は高くオスカー確実とみられていたが、ふたを開けるとノミネートすらされず賞レースからは無視された格好に。「白人警官による黒人差別」というデリケートな題材だけに、“無冠”の不自然さが逆に話題になっている。

「確かに映画の出来のよさからすれば奇妙なことです。ただビグロー監督はビンラディン暗殺作戦を描いた『ゼロ・ダーク・サーティ』のときも、『民主党の功績を描いた映画を選挙日直前に公開しようとしている』と共和党から大クレームを浴び、公開延期に追い込まれた。演出の手腕を評価される一方で、中身はプロパガンダ的との声もよくあがる“お騒がせ監督”です。まして本作は50年も前の未解決事件の映画化ということで、果たしてどこまで映画が真実に迫っているのか。審査員たちも測りかねたのかもしれません」(前出の前田氏)

 今も根強く残る差別問題。トランプ政権になって問題はエスカレートする一方だが、女流監督からのキョーレツな問題提起に、映画賞審査員たちも思わずひるんだか。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    小室圭さん年収4000万円でも“新しい愛の巣”は40平米…眞子さんキャリア断念で暇もて余し?

    小室圭さん年収4000万円でも“新しい愛の巣”は40平米…眞子さんキャリア断念で暇もて余し?

  2. 2
    メジャー29球団がドジャースに怒り心頭! 佐々木朗希はそれでも大谷&由伸の後を追うのか

    メジャー29球団がドジャースに怒り心頭! 佐々木朗希はそれでも大谷&由伸の後を追うのか

  3. 3
    若い世代にも人気の昭和レトロ菓子が100均に続々! 製造終了のチェルシーもまだある

    若い世代にも人気の昭和レトロ菓子が100均に続々! 製造終了のチェルシーもまだある

  4. 4
    巨人にとって“フラれた”ことはプラスでも…補強連敗で突きつけられた深刻問題

    巨人にとって“フラれた”ことはプラスでも…補強連敗で突きつけられた深刻問題

  5. 5
    長渕剛の大炎上を検証して感じたこと…言葉の選択ひとつで伝わり方も印象も変わる

    長渕剛の大炎上を検証して感じたこと…言葉の選択ひとつで伝わり方も印象も変わる

  1. 6
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7
    「監督手形」が後押しか…巨人入り目前から急転、元サヤに収まった真相と今後

    「監督手形」が後押しか…巨人入り目前から急転、元サヤに収まった真相と今後

  3. 8
    東京15区補選は初日から大炎上! 小池・乙武陣営を「つばさの党」新人陣営が大音量演説でヤジる異常事態

    東京15区補選は初日から大炎上! 小池・乙武陣営を「つばさの党」新人陣営が大音量演説でヤジる異常事態

  4. 9
    高島彩、加藤綾子ら“めざまし組”が大躍進! フジテレビ「最強女子アナ」の条件

    高島彩、加藤綾子ら“めざまし組”が大躍進! フジテレビ「最強女子アナ」の条件

  5. 10
    「救世主にはなり得ない」というシビアな見方…ピーク過ぎて速球150キロ超には歯が立たず

    「救世主にはなり得ない」というシビアな見方…ピーク過ぎて速球150キロ超には歯が立たず