楽器横流し事件 背景にある日本ロックシーンの構造不況

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 エレキなどを扱う楽器店店長が客から預かったギターやベースを勝手に質屋に横流しし、業務上横領容疑で逮捕された事件は、芸能界で活躍する有名ミュージシャンたちに衝撃が走っている。

 逮捕された東京・杉並区の楽器店「バディサウンドワークス」店長、山本誠容疑者(46)を巡っては、1本100万円以上するビンテージのギターが返却されないといったトラブルが相次ぎ、20件以上の相談が警視庁に寄せられていた。

 調べに対し、山本は容疑を認め「店の運営資金に困り、5年前から50本以上質屋に入れた」「700万~800万円くらいになった」などと供述しているという。日本のロックシーンに詳しい芸能関係者が言う。

「山本容疑者は日本を代表するギターメーカー『ESP』の本部長をしていたことがあり、『LUNA SEA』や『L’Arc~en~Ciel』などのモデルのギターやベースを製作したり、製品化させていたことで知られるちょっとした有名人なんです。そのメンテナンスの腕前とフットワークの軽さには定評があり、メーカーから独立後も有名ミュージシャンに呼ばれて出張メンテナンスに出かけたりしていた。それで信用され、紹介から紹介という形でミュージシャンとの幅広い人脈を持っていました。今回の事件では、『THE ALFEE』坂崎幸之助プロデュースのバンドのメンバーらも被害に遭っている。信用を裏切り、ミュージシャンにとって命の次に大切な楽器を横流しするなんて許せないと被害者たちは怒り心頭ですよ。盗まれた楽器は質屋経由で中古楽器店に流れていて、そこで探して買い戻すしかないのは理不尽だとして、民事裁判で債権を回収しようとしています」

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