著者のコラム一覧
片岡たまき

神奈川県平塚市出身。元RCサクセション・マネジャー兼衣装係。夫は「パスカルズ」のバンドマスター、ロケット・マツ氏。著書に「あの頃、忌野清志郎と」(宝島社)。

「雨の日にいかれちまった」愛車の日産サニークーペ秘話

公開日: 更新日:

 1992年ごろ、免許を取得したばかりの井上陽水が、初心者マークを付けたジャガーに乗って自宅に遊びにきた時のエピソードがある。

「『ソバでも食べないか』という誘いに、昼時に近所のソバ屋に出かけ、陽水さんは壁に向かって座って、清志郎さんはお客さんに向かって座ったそうです。『お客さんにジロジロ見られるわ、カレーうどんは辛いわで、汗だく。恥ずかしかったよ~』という話です」

 もちろん、大柄の陽水も目立っていたに違いない。

 カレーといえば、こんな話もある。

「その昔、陽水さんの三鷹のアパートに清志郎さんが行った時、陽水さんがカレーライスを作ってくれたらしい。それを食べた後に作ったのが、『帰れない二人』(作詞・作曲=井上陽水、忌野清志郎)。陽水さんの3枚目のアルバム『氷の世界』に収録された一曲です」

 1973年に発売された「氷の世界」はオリコンLPチャート1位、日本レコード史上初のLP販売100万枚突破の記録を作った。清志郎はこの曲のほか、「待ちぼうけ」という曲も陽水と共作している。

 このアルバムの大ヒットで、清志郎にも500万~600万円の印税が入った。だが、清志郎はあっという間にそのお金を高額の楽器を買ったりして使い果たし、元の貧乏生活に戻る。わずかに残った金で購入したのが、1台目のサニークーペだった。 (つづく)

【連載】元マネが語る 忌野清志郎との日々

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    年収1億円の大人気コスプレーヤーえなこが“9年間自分を支えてくれた存在”をたった4文字で表現

  2. 2

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  3. 3

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  4. 4

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  5. 5

    山尾志桜里氏“ヤケクソ立候補”の波紋…まさかの参院選出馬に国民民主党・玉木代表は真っ青

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  2. 7

    フジテレビCM解禁の流れにバラエティー部門が水を差す…番宣での“偽キャスト”暴露に視聴者絶句

  3. 8

    国分太一は“家庭内モラハラ夫”だった?「重大コンプラ違反」中身はっきりせず…別居情報の悲哀

  4. 9

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒