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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

70年代のやくざ映画は下ネタゼリフも小気味良かったが…

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 やっぱり、1970年代の「やくざ映画」はオモシロ過ぎる。昨今のヤクザ物なんてどれも到底、かなわないな。どうして、昔のプログラム映画はあんなに熱を帯びて力強かったんだろう。連合赤軍の総括リンチ事件など内ゲバの季節が終焉した、その反動だったのか。

 73年に立て続けに封切られた「仁義なき戦い」シリーズは問答無用だし、75年の「県警対組織暴力」も実によく出来ていて、DVDを見直してたら、夜が明けてしまっていた。“実録ヤクザ路線”の役者たちがそのまま、片や刑事役、片やヤクザ役と振り分けられて出演しているだけなのに、でも、最後まで飽きさせないのが不思議。監督は深作欣二だが、話が断然オモロいのは鬼才・笠原和夫の脚本によるところが絶大だ。

「仁義――」でヤクザの親分だった菅原文太が今度は県警の刑事となってヤクザと対峙していた。

「おまえら、広谷ンとこのモタレ(チンピラ)じゃろう。殴り込みか! どいつもこいつも鼻血のたまったツラしとってから、そがにイキりたいいうんじゃったら死んでこい! その方が掃除が早いけん! 2課の久能じゃ! バタバタしよるとコッパ食らわしちゃるんど」と文太兄ィ、ヤクザサングラスをかけても十分決まっていた。

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