著者のコラム一覧
吉川圭三映像プロデューサー

1957年、東京都生まれ。82年日本テレビ入局。「世界まる見え!テレビ特捜部」「恋のから騒ぎ」「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」などを手掛ける。現在、ドワンゴのエグゼクティブプロデューサー、早稲田大学表現工学科講師を務める。著書に「たけし、さんま、所の『すごい』仕事現場」(小学館)、「全力でアナウンサーしています。」(文藝春秋)がある。

ドワンゴ創業者・川上量生<前編>繊細な感性持つ不思議な人

公開日: 更新日:

 出向してみると、ドワンゴ社は説明書のないアップル製品のようだった。テレビ局の三種の神器である、現場で手足となってくれるAD、会社で全ての細かい仕事をしてくれるデスクの女性、放送作家はいない。私は一応、制作局長代理まで上ったが管理職に飽き飽きしていた。出向は私にとっては渡りに船。新し物好きとはいえ「全部1人でやるドワンゴ」は衝撃だった。入社初日、川上さんの部屋に行くとバラエティー屋の私に「吉川さんはジャーナリズムをやって下さい」と言い残し、アッという間にそこからいなくなってしまったのである。

 ある日突然、川上さんから「年末の衆議院議員の総選挙開票特番にビートたけしさんを呼べませんか?」と提案があった。ゲームや数学フリークである川上さんはビートたけしのラジオなどを聞いたことも「オレたちひょうきん族」を見たこともほとんどなかったはずだ。たまたま私が振ったたけしさんの話から猛スピードでたけしさんの著書を読み、直感で提案をしてきたのだ。交渉の末、義理堅いビートたけしさんは半蔵門のドワンゴの小さなスタジオに現れ、選挙特番当日、テレビでもラジオ以上の毒舌たっぷりのビートたけしのトークが炸裂(さくれつ)した。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  2. 2

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  3. 3

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 4

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  5. 5

    日銀を脅し、税調を仕切り…タガが外れた経済対策21兆円は「ただのバラマキ」

  1. 6

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  2. 7

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 8

    林芳正総務相「政治とカネ」問題で狭まる包囲網…地方議員複数が名前出しコメントの大ダメージ

  4. 9

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  5. 10

    角界が懸念する史上初の「大関ゼロ危機」…安青錦の昇進にはかえって追い風に?