桧山珠美
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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

紅白の話題さっぱり…いっそ「思い出のメロディー」でいい

公開日: 更新日:

 それから朝ドラ「半分、青い。」でおじいちゃん仙吉を演じた中村雅俊が登場。ドラマ内で歌った「あの素晴しい愛をもう一度」と「ふれあい」を歌う企画もあった。

 続いて、綾小路きみまろが漫談を交えつつ映画スターの紹介をして市川由紀乃がひばりの「東京キッド」を、丘みどりがペギー葉山の「南国土佐を後にして」を披露。持ち歌を歌われてもわからないような若手には昔のヒット曲を歌わせておけば間違いないのだから。

 まだある。平成元年にブレークした「Wink」がこの日、一夜限りの復活。当時、無表情といわれていたWinkだが、バラエティー慣れした相田翔子が張り切っていたのも時の流れを感じた。そして、小林幸子があの巨大衣装で「おもいで酒」を歌い、最後は北島が「まつり」でしめる。誰がなんといってもトリはサブちゃんの「まつり」が一番盛り上がる。水前寺清子に森進一に細川たかしものびのびと歌っている。

 由紀さおり・安田祥子姉妹に木村佳乃、小4の大角ゆきちゃんが童謡「ゆりかごのうた」「里の秋」を歌う場面には心が洗われた。下手に若者に迎合、訳のわからないバンドや大人の事情だらけの出場者でどっちつかずで不完全燃焼な「紅白」より、「思い出のメロディー」のほうがよほどスペシャル。これが「紅白」でいいんじゃない!

 この時期、紅白の話題で盛り上がるのが普通だが、話題曲もなく、煙すらない。若者に迎合するだけの紅白はいらないってことだ。

【連載】桧山珠美 あれもこれも言わせて

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