片岡たまき
著者のコラム一覧
片岡たまき

神奈川県平塚市出身。元RCサクセション・マネジャー兼衣装係。夫は「パスカルズ」のバンドマスター、ロケット・マツ氏。著書に「あの頃、忌野清志郎と」(宝島社)。

尊敬するJBを深化させた“マント・ショー”で客席盛り上げる

公開日: 更新日:

 清志郎は、リスペクトするジェームス・ブラウンの「マント・ショー」を発端に、ライブに取り入れていた。「マント・ショー」とは、ライブのクライマックス、激しいパフォーマンスに力尽きて膝から崩れ落ちたJ・Bが、スタッフからマントを掛けられステージを下りる、と見せかけて、突如マントを振り払い、再度マイクに向かって歌い始める。それを何回も繰り返す、一番の見せ場。

「清志郎さんは、スパンコールのロングマントを思い切り跳ね飛ばします。08年、完全復活祭の武道館では、ステージ上に敷いた布団で眠り、冬眠から復活したとばかりに、掛け布団を足で蹴上げるシーンがありました。その時、なんと、蹴り上げた布団をすかさずマント代わりにしたんです」

 客席が爆笑と大声援だったことは言うまでもない。布団をド派手に飾るのは片岡さんの係だった。

「冬のライブで、演奏中にステージにしつらえたコタツに入ってくつろぐ異色の演出がありました。コタツを思いっきりひっくり返した清志郎さんは、マント代わりにコタツを背中に担ぎあげて、ステージを歩き始めた。あれには心底驚きました(笑い)。なにをするにも面白がって、過剰に演出。清志郎さんは大なり小なり新しいアイデアを次から次に見せるので、ファンもメンバーも、スタッフさえも飽きないのです。プライベートで、スタッフの結婚式に余興のお笑いトリオを組んで、それもすごく熱心に台本を練ってリハを重ねていた。くだらないジョーダンや思いつきで、人を笑わせたりビックリさせることが大好きですね」

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  2. 2
    「ダルよりすごい」ムキムキボディーに球団職員が仰天!プロ3、4年目で中田翔より打球を飛ばした

    「ダルよりすごい」ムキムキボディーに球団職員が仰天!プロ3、4年目で中田翔より打球を飛ばした

  3. 3
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

  4. 4
    22年は尻回りが推定1.5倍に増大、投げても打ってもMLBトップクラスの数値を量産した

    22年は尻回りが推定1.5倍に増大、投げても打ってもMLBトップクラスの数値を量産した

  5. 5
    若林志穂が語った昭和芸能界の暗部…大物ミュージシャン以外からの性被害も続々告白の衝撃

    若林志穂が語った昭和芸能界の暗部…大物ミュージシャン以外からの性被害も続々告白の衝撃

  1. 6
    橋下徹氏&吉村知事もう破れかぶれ?万博の赤字に初言及「大阪市・府で負担」の言いたい放題

    橋下徹氏&吉村知事もう破れかぶれ?万博の赤字に初言及「大阪市・府で負担」の言いたい放題

  2. 7
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  3. 8
    大谷の2023年は「打って投げて休みなし」…体が悲鳴を上げ、右肘靭帯がパンクした

    大谷の2023年は「打って投げて休みなし」…体が悲鳴を上げ、右肘靭帯がパンクした

  4. 9
    「横浜愛」貫いた筒香嘉智 巨人決定的報道後に「ベイスターズに戻ることに決めました」と報告された

    「横浜愛」貫いた筒香嘉智 巨人決定的報道後に「ベイスターズに戻ることに決めました」と報告された

  5. 10
    河野太郎大臣「私は関わっておりません」 コロナワクチン集団訴訟で責任問う声にXで回答…賛否飛び交う

    河野太郎大臣「私は関わっておりません」 コロナワクチン集団訴訟で責任問う声にXで回答…賛否飛び交う