ソロデビュー…愛川欣也さんからの花束に感情の糸が切れた

公開日: 更新日:

新田恵利編<6>

 1985年、おニャン子クラブは毎週のように、メンバーが増えていった。渡辺美奈代ちゃん、渡辺満里奈ちゃん、工藤静香ちゃんらで、芸能界で生きていこうと本気で考えているのが伝わってきた。ごく自然に主力メンバーへとなっていく。

 グループは、河合その子ちゃんの「涙の茉莉花LOVE」をスタートに、ソロでのデビューがはじまる。私はおニャン子の第2弾シングル「およしになってねTEACHER」でもメインボーカルに加えてもらった。歌もダンスも得意ではなかったけれど、とても楽しかった。自然といつも笑顔になった。毎日が学園祭のようだ。

 86年の元日、おニャン子で3番目に私もソロデビュー。「冬のオペラグラス」はオリコン初登場1位になった。「なるほど!ザ・ワールド」のエンディング曲にもなっていたので、「夕やけニャンニャン」の生放送中、愛川欽也さんが大きな花束を抱えてお祝いに来て下さった。

 お礼をしたあと笑顔で歌わなければならないところ、私は泣き出した。誰もがうれし涙と思ったようだが、突然父が亡くなってまだ2週間だったしスタジオで応援してくれている同年代の高校生たちの中に、私の部屋に泥棒に入った子がいるかもしれない。そう思うと、父が亡くなってから抑えていた感情の糸がプツンと切れてしまったのだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」