特別編<1>“1度エンジンが止まったら最後”という思いで…

公開日: 更新日:

碓井 ドラマの回数分とはシャレが利いていますが、すべてを書き終えられていかがですか。

倉本 読み返してみると辻褄が合わない箇所もあったりしましたね。満州で武装解除された関東軍の兵士が沖縄の米軍捕虜収容所に送られた顛末を書いたのですが、それよりもかなり前に兵士がシベリアのラーゲリ(強制収容所)で死んでいたと書いていて、悩んだ揚げ句、カットしたりしました。

碓井 それだけ時間軸が長いってことですね。改めてお聞きしたいのですが、新作は、一昨年に放送された「やすらぎの郷」の続編というイメージを持たれている方が多いと思います。

倉本 続編ではあるけれど、それだけではないんですよ。主人公の脚本家・菊村栄(石坂浩二)が自分のために“最期の作品”を書き始める。戦前、山梨の田舎の村から出てくる一家の話です。「やすらぎの郷」の続編と、菊村栄の脳内ドラマ「道」が同時進行していくという形です。

碓井 一家の物語は何がテーマになっているのでしょうか。


倉本 日本の原風景です。昭和初期から平成末、さらには次の時代にまでまたがる話。人々が次々と故郷を出ていくことでふるさとの村が滅びていく。かつてあった細い土の道は砂利道からアスファルトに変わり、外から来るのに便利になるはずが、来るより出るのに便利な道になり、新たな限界集落をつくってしまう。それでも南アルプスや八ケ岳が見える景色はいつまで経っても変わらない。我々にとって原風景とは何だろう。そこから発想したドラマです。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  2. 2

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  3. 3

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  4. 4

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  5. 5

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  1. 6

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  2. 7

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 8

    田中圭が『悪者』で永野芽郁“二股不倫”騒動はおしまいか? 家族を裏切った重い代償

  4. 9

    永野芽郁「二股不倫報道」の波紋…ベッキー&唐田えりかと同じ道をたどってしまうのか?

  5. 10

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か