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大竹聡ライター

1963年、東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業後、出版社、広告代理店、編集プロダクションなどを経てフリーに。2002年には仲間と共にミニコミ誌「酒とつまみ」を創刊した。主な著書に「酒呑まれ」「ずぶ六の四季」「レモンサワー」「五〇年酒場へ行こう」「最高の日本酒」「多摩川飲み下り」「酒場とコロナ」など。酒、酒場にまつわるエッセイ、レポート、小説などを執筆。月刊誌「あまから手帖」にて関西のバーについてのエッセイ「クロージング・タイム」を、マネーポストWEBにて「大竹聡の昼酒御免!」を連載中。

(27)三河の島で魚三昧

公開日: 更新日:

 初めて訪ねた街でうまい魚に出会うほど、楽しく、嬉しいことはない。ライター稼業30年の間には、そんな経験も数々してきた。

 10年ほど前だったか。愛知県知多半島の突端の港から船に乗って、小さな島に渡った。日間賀島といって、歩いても苦もなく島一周ができるほどの小島であるが、ここは伊勢湾、三河湾の豊富な魚介に恵まれている。酒飲みライターの私がそんな島をふらりと訪ね、飲みかつ喰う、ああ、楽しからずや、という雑誌企画だった。振り返って、ずいぶんいい思いをさせてもらっている。

 定期船に乗って島に着いてみると、意外に人が多い。修学旅行の学生の姿も見える。しばらく海っぷちを歩くと、港も静かだし、砂浜もあって、波は穏やかである。これなら小学生の夏の臨海学校などにも最適かと思った。実際、港の近くには、けっこうな規模の宿泊施設が並んでいた。

 堤防へ行くと、釣りをしている爺さんがいた。何を釣っているのか訊いたけれど、答えが聞き取れなかった。港は入り江にあるが、少し沖へ出れば潮が流れている場所だから、ときには意外な大物も狙えるのかもしれない。

 宿は料理自慢の民宿だった。漁師をしながら家族経営で民宿も営んでいる。釣りの客なども受けているらしい。

 蒸し暑い季節だったが、部屋の窓を開けると海からの風が入って心地いい。夕食前にひと風呂あびて、さあ、飲もう。

 いきなりワタリガニが出て度肝を抜かれ、次の石カレイの刺身は、コリっとした食感と噛むとにじみ出るうま味で迫ってきた。そして、大アサリとサザエのつぼ焼き。私は、こういうのに、目がない。たちまちにしてビールを飲み干し、宿がすすめる焼酎に切り替える。シンプルに水割りでいただく。

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