土橋正幸がエースの軟式野球「フランス座チーム」で一員に

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井上ひさし編

 直木賞受賞作家として活躍した井上ひさしも、かつては座付き作家だった。1950年代、上智大学仏語科の学生だった井上は初めて浅草フランス座を訪れた。劇場側も芝居に力を入れていたころ。大道具や背景も本格的なつくりで、文芸部に所属する座付き作家が脚本を書いた。井上は、その募集を見て応募してきたという。

「地元が同じ山形県の俳優・伴淳三郎さんが働いた小屋だってことで訪ねてきた。『大学に行っても勉強にならないから働きたい』ってね。だけど経験はないし、『舞台の裏の進行係や雑用で使ってやるよ』ということになったんだ」

 進行係として採用された井上は、ガリ版(鉄製のやすり版)を掘って、文字を書いていく。

「作家から上がってくる原稿を急いで書いて、舞台で待つ役者のもとに持って行く仕事です。ところが作家によっては原稿が遅い。稽古が始まってもまだ書いているから、大変だったよ。井上さんはまじめに自分の仕事をこなしていたね」

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