明大在学中のたけしが「コメディアンになりたいんだけど」

公開日: 更新日:

ビートたけし(北野武)<前編>

「アッハハハー」と響き渡る笑い声。「人生笑ったもん勝ちですよ」と話す、浅草演芸ホール会長の松倉久幸さん(83)は中学卒業後、父親の宇七(うひち)氏に付いて長野から上京した。浅草の芸能世界に飛び込んで70年になる。長年、浅草演芸ホール・東洋館(旧フランス座)を経営してきた。由利徹、三波伸介、伴淳三郎、萩本欽一伊東四朗、東八郎、ビートたけし――。数多くのコメディアンが修業し、羽ばたいていった。彼らとの出会いで得た人生哲学を紹介する。

  ◇  ◇  ◇

 70年安保に敗れ去ったころ、明治大学工学部在学中のたけしは「生きる道」を模索し、浅草の街を歩いていた。ある時、浅草フランス座の前を通りかかると「コント出演・深見千三郎」と書かれているのを目にする。

ストリップと軽演劇を行っていたロック座を売却したころです。ロック座は、1947年にできて日本初のストリップ専門の常設劇場。そこで活躍していた深見千三郎と兼子二郎(のちのビートきよし)らは、舞台を求めてフランス座に移ってきた。タケ(ビートたけし)が入ってきたのはそのころですね。チケット売り場のおばちゃんに『コメディアンになりたいんだけど』と声をかけたんだ。おばちゃんは得体の知れない若者に何か感じるところがあったそうで、『エレベーターボーイなら空いているよ。そのうち、深見(千三郎)の師匠に紹介してあげるから』と伝えたんですよ」

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ