鴻上尚史氏インタ 生き苦しさ解消には「好きなもの」を

公開日: 更新日:

「小泉進次郎は完全に潮目が変わった」

 ―――何かあるとすぐ“炎上”しますしね。逆にクレームを恐れるあまり、小泉進次郎のようにごく当たり前のことを繰り返しているだけの発言もあります。

「小泉進次郎に関しては、完全に潮目が変わりましたね。今、『何を言ってるんだ、この人は?』となっているけど、やっぱり中身がないと思うと分かってくるんですよ。そういう相手でも粘り強く接していけば真実は見えてくると思うんですけど」

 ――生き苦しさを解消するヒントはありますか。

「『正義』で世間に対峙しようとすると厄介です。そうではなくて、『好きかどうか』っていうところにたどりつけたらいいなって思います。あくまでたとえですが、商品開発の会議なんかでも、普通はマーケティングとか人口分布とか、もっともらしいことを挙げていくと思うんですが、そうでなくて単純に『この新商品って、とにかくウマいんですよ!』って言えるかどうか。そういうものが人間を支えると思うんですよ。世間に対していろいろなプレッシャーがあっても、とどのつまり、やっぱりその仕事が好きだとか、そのスポーツが好きだとか、人間って何か好きなものを見つけると『世間』の重圧から逃れられるんじゃないかって感じがします」

 ――そうしたものが作品にも込められている?

「でも、エッセーではないので、あまりそういうものを前面に出しても、面白くないしね(笑い)。とにかく笑いもダンスもアクションも盛りだくさんで、にぎやかに楽しくやろうと思ってますよ。地球防衛軍が怪獣と戦ったり、苦情に悩まされたり、それを人間たちが応援したり……生き苦しくて世知辛い世の中だけど、まあそれでも生きていこうかな、みたいに感じてもらえたらいいなと思います」

 (聞き手=平川隆一/日刊ゲンダイ

◆舞台「地球防衛軍 苦情処理係」 東京公演(紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA 11月2~24日)、大阪公演(サンケイホールブリーゼ 11月29日~12月1日)

 出演:中山優馬、原嘉孝、駒井蓮、矢柴俊博、大高洋夫ほか。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    福山雅治「フジ不適切会合」参加で掘り起こされた吉高由里子への“完全アウト”なセクハラ発言

  2. 2

    福山雅治「ラストマン」好調維持も懸案は“髪形”か…《さすがに老けた?》のからくり

  3. 3

    福山雅治、石橋貴明…フジ飲み会問題で匿名有力者が暴かれる中、注目される「スイートルームの会」“タレントU氏”は誰だ?

  4. 4

    福山雅治イメージ大暴落…「路上泥酔女性お持ち帰り」発言とファンからの"賽銭おねだり”が時を経て批判集中

  5. 5

    山﨑賢人&広瀬すず破局の真偽…半同棲で仕事に支障が出始めた超人気俳優2人の「決断」とは

  1. 6

    フジテレビ「不適切会合」出席の福山雅治が連発した下ネタとそのルーツ…引退した中居正広氏とは“同根”

  2. 7

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  3. 8

    福山雅治“ローション風呂”のパワーワード炸裂で主演映画とCMへの影響も…日本生命、ソフトBはどう動く?

  4. 9

    永野芽郁&橋本環奈“自爆”…次世代女優トップは誰だ?畑芽育、蒔田彩珠、當真あみが三つ巴

  5. 10

    ご都合主義!もどきの社会派や復讐劇はうんざり…本物のヒューマンドラマが見たい

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の三振激減がドジャース打者陣の意識も変える…史上初ワールドシリーズ連覇の好材料に

  2. 2

    国民民主党から問題議員が続出する根源…かつての維新をしのぐ“不祥事のデパート”に

  3. 3

    党勢拡大の参政党「スタッフ募集」に高い壁…供給源のはずの自民落選議員秘書も「やりたくない」と避けるワケ

  4. 4

    「ロケ中、お尻ナデナデは当たり前」…「アメトーーク!」の過去回で明かされたセクハラの現場

  5. 5

    注目の投手3人…健大高崎158km石垣、山梨学院194cm菰田陽生、沖縄尚学・末吉良丞の“ガチ評価”は?

  1. 6

    夏の甲子園V候補はなぜ早々と散ったのか...1年通じた過密日程 識者は「春季大会廃止」に言及

  2. 7

    コカ・コーラ自販機事業に立ちはだかる前途多難…巨額減損処理で赤字転落

  3. 8

    巨人・坂本勇人に迫る「引退」の足音…“外様”の田中将大は起死回生、来季へ延命か

  4. 9

    高市早苗氏の“戦意”を打ち砕く…多くの国民からの「石破辞めるな」と自民党内にそびえる「3つの壁」

  5. 10

    「U18代表に選ぶべきか、否か」…甲子園大会の裏で最後までモメた“あの投手”の処遇