石田ゆり子の“恋敵”役を好演 女優・桜井ユキの矜持とは

公開日: 更新日:

 マスコミ向けの試写会では「あの子、すごい」といった驚きの声があちこちからこぼれた。あの子とは女優の桜井ユキ(32)。11月1日公開の映画「マチネの終わりに」(東宝)で、主人公(福山雅治)とヒロイン(石田ゆり子)の間を引き裂く“恋敵”の早苗を演じている。

  ◇  ◇  ◇

「私は早苗が大好きなんです」と、ほほ笑みながら力強く話す。平野啓一郎氏の同名人気小説を映像化した作品。スランプに陥る世界的なクラシックギタリスト・蒔野(福山)と、パリの通信社で働きながら婚約者のいるジャーナリスト・洋子(石田)という40代男女の恋愛模様を描いているが、桜井演じる蒔野のマネージャー・早苗は蒔野の才能と人柄に惚れ抜き、ある間違いを起こす。いわば、主人公とヒロインの人生の歯車を狂わせる張本人。観客から敵視される役柄でもあるが、演じた桜井は「好きな人を思うがゆえの行動、純粋さに魅了された」と話す。

「一般常識からすれば、早苗の行動はやってはいけないこと。もっともらしく理由を付けて正当化してはいけないし、不快に思われる方がいても仕方がないと思っています。でも物事の善し悪しは片側から見るだけでは分からないこともある。早苗目線でいえば、蒔野と洋子がお互いをさらけ出していれば、妨害なんてはねのけられたはずでしょ? 早苗もしばらくしたら2人にバレると思いながらも、行動を起こさずにはいられなかった。そういう人間らしさや滑稽な部分も含めて愛すべきキャラクターです」

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋