著者のコラム一覧
大高宏雄映画ジャーナリスト

1954年浜松市生まれ。明治大学文学部仏文科卒業後、(株)文化通信社に入社。同社特別編集委員、映画ジャーナリストとして、現在に至る。1992年からは独立系を中心とした邦画を賞揚する日プロ大賞(日本映画プロフェッショナル大賞)を発足し、主宰する。著書は「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など。

ドキュメンタリー版では人間・望月記者をもっと見たかった

公開日: 更新日:

 本作の中に登場する森達也監督がつぶやく。彼女に関心を寄せる海外の記者がいる場でのことだ。

「質問自体が、なぜ注目を集めるのか」

「私はなぜ、(質問が話題となる)望月氏の映画を撮っているのか」

 いわば、そもそも論だが、この自問自答のような視点が本作のもっとも興味深いところなのである。

 菅官房長官は、彼女のまっとうな質問に対して答えることなく、ときに動揺し、はぐらかす。圧力もかける。どのような中身であれ、きちんと答えていれば、質問自体が話題になることはないようにも感じた。当たり前のことが、当たり前にできない。それは最近の「桜を見る会」問題にも通じる。映画から浮き上がってくるのは、政権側のそのいびつな形だ。

 ところで、望月記者の行動スタイルで目を引いたことがある。いつも、実にファッショナブルな衣服に身を包んでいることだ。両手に多くの指輪をし、ネックレスも目立つ。ときにパンツにブーツ、カラフルなスカートをはくこともある。出張先ならともかく、官邸にもキャリーバッグを持って入っていくのには驚かされた。

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