てれびのスキマ 戸部田誠
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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

退屈という地獄を経て「松本まりか」が手にした大人の顔

公開日: 更新日:

 松本まりかは15歳の頃、原宿を歩いているときにスカウトされ、2000年に「六番目の小夜子」(NHK)で女優デビュー。ネクストブレーク間違いなしと注目を浴び、コンスタントに役をもらえていたが、満足のいく結果を残すことができなかった。

 その頃は「自分のことを見たくなくて、長いこと逃げていた」(読売新聞「OTEKOMACHI〈大手小町〉」18年10月25日)という。

「自分の居場所がなく、自分で自分のことを認めることができなかったんです。“絶望”という言葉が何度、頭の中をめぐったかわかりません」(同前)

 このままじゃダメだと、デビューから10年が経った2010年から1年間ロンドンに留学した。

 帰国後、小劇場と出合い、小さな舞台に積極的に出るようになった。そのうちのひとつが、山内ケンジ主宰の「城山羊の会」。映画のようにささやくようなセリフの応酬が衝撃的だったという。この劇団に出演したときの芝居をプロデューサーが見たことがきっかけで、「ホリデイラブ」の出演が決まった。やっと自分の居場所を見つけて、スタートラインに立てたと感じたという。

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