著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

批判され嫌われてもいい ウーマン村本の「言い切る覚悟」

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「AのボケとBのボケとどっちがいいでしょうか?」「大喜利の答えにこんなこと言おうと思うんですがどうでしょうか?」と質問のオンパレード。新しいネタができたらすぐに「見てください」とアドバイスを求め、夜中の2時、3時を過ぎても納得がいくまで稽古をやめない、それこそ練習の虫。文字通り「若手のお手本」でした。

 そんな村本君は原発のある福井県おおい町出身。身近に見てきた原発に抱く疑問をストレートにぶつけるなど「社会風刺ネタ」にシフトしていきます。あれほど周囲の声に慎重だった彼が、自分の言葉でしゃべりまくるスタイルに“激変”するとは思いもよりませんでした。

 しかも、その芸風で劇場での10分の持ち時間に笑いと共に、5回、6回と大きな拍手をもらう。これはなかなかできないことで、彼の感じる欺瞞にお客さんも共感している証しでしょう。

「先生、僕たちのネタを見た外国人が『(社会派のコメディアンの)ジョージ・カーリンを思い出した』ってツイートしてて、その人を調べたらこれが面白いんですよ!」

 と言って村本君は世界に目を向けるようになりました。タブーが多く、政治的なネタが敬遠される日本と違い、多種多様な笑いのあるアメリカのスタンドアップコメディーの動画をむさぼるように見まくり、「自分の求めているのはこれだ」と、アメリカでの活動を視野にネーティブな英語が聞き話せるように英会話を特訓中です。

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