著者のコラム一覧
井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

バイデンさん、ほんまに頼んまっせ 壊れたものを取り戻せ

公開日: 更新日:

 ひとまず、バイデン氏が勝ってやれやれだな。我らもホッとしたし、世界中もホッとしたんじゃないか。アメリカこそ国際協調路線に戻さないとダメだし、地球温暖化対策も戻さないとダメだし、トランプが壊してしまった何もかもを取り戻さないと前にはいけないが、何より国内のグタグタな「分断状態」が問題だ。バイデンさん、ほんまに頼んまっせだ。政治の“分極”、人種と宗教と文化の“分断”、ひいてはアメリカ中の“家族分断”まで起きていたのは確かだ。

 4年前、トランプが当選した時、世界が終わってしまうような気になったリベラルな国民も多かったようだが、今度は逆で、トランプを支持した半分の保守層がどこまで落ち込んでヤケクソになってるのか、どうなだめたらいいのか「団結」を目指すには相当の意識改革が必要だろ。「宥和」なんて単語も知らない建国以来の白人至上主義のやつらの頭はカチカチなのだから。

 こんな時こそ、アメリカ映画は奮起して、過去の「差別と分断」の歴史をえぐる“これぞアメリカ!”という保守派もリベラル派もどっちの観客の右っ面も左っ面もバチーンと張り飛ばして目覚めさせるくらいの作品がもっと作られるべきだ。日本も分断しているし、我らも見たいのだ。でも、コロナ感染死世界最悪のこの国の映画現場では3密撮影の自由はないし、大群衆シーンも撮れないし、ハリウッド自体が死に体のようだ。安直な娯楽一辺倒なネット配信ドラマ制作が関の山じゃ情けないよ。マスク代もケチっていた無策のトランプは映画館文化まで壊してしまった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁