二つ目に昇進した年にNHK新人演芸大賞受賞するも戸惑いが

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 大賞を取ると、真打ち昇進が早まるといわれるが、二つ目になったばかりでは、そのアドバンテージは生きない。7、8年目あたりで取るのが理想なのだ。

「受賞のおかげで仕事は増えました。でも、一緒の落語会に出る真打ちの師匠方と比べられたらひとたまりもありません。当然勝負にならない。戦うすべがないのです」

 早過ぎた受賞の弊害が出たわけだ。その翌年、悩む宮治に意外なオファーが舞い込んだ。

「サンケイリビング新聞社で落語会を企画する担当の方からの、『国立演芸場で年に4回、独演会をやりましょう』という依頼です。前座時代に勉強会をやらせてくれた方なんですが、当時の僕の会なんて、200の会場に7割入れば上々でしたから、300の国立で年に4回もやる自信はありません。でも、かみさんに話したら、『やるべきよ』と言うし、僕のポリシーが、『やらないで後悔するよりチャレンジしろ』でしたから、その話に乗っかりました。すると、1回目からチケットが完売したのです」 (つづく)

(聞き手・吉川潮)

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