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船山基紀編曲家

1951年、東京都生まれ。編曲家。デビュー作は中島みゆき「アザミ嬢のララバイ」。昨年死去した作曲家・筒美京平と組んだ作品が一番多く、沢田研二、渡辺真知子、田原俊彦ら数々のヒットを飛ばした。昨年12月に編曲を手がけた作品を収録した「船山基紀 サウンド・ストーリー」(ソニー・ミュージックダイレクト、CD4枚組72曲)をリリース。

“ザ・芸能界”な仕事は沢田研二「勝手にしやがれ」が初めて

公開日: 更新日:

 僕にとって、初めてのザ・芸能界的な仕事は沢田研二さんの「勝手にしやがれ」でした。フレッシュな若手アレンジャーを起用するというプロデューサーの意向があったようですね。

 スタジオにレコード会社の偉い人をはじめ、事務所のスタッフら……いつもとは関係者の人数が全然違いました。スターってすごいな! って思いましたよ。

 1度だけ沢田さんとたまたまエレベーターが一緒になったことがあって、階下に着くまでのほんのわずかの間でした。沢田さんが「お疲れさまでした」と言ってくれたんです。年上のスターなのに「お疲れさまでした」って言うんだ! すごいなあ! って(笑い)。あの時は、雲の上の人の仕事ができて何もかもが新鮮でした。

「勝手にしやがれ」の有名な♪タランタランタ~ンというイントロは、もともとは大野克夫さんが作ったものです。それを僕がオーケストレーションした。いくつもある候補の中から「勝手にしやがれ」のイントロが決まったんです。

 ミュージシャンも一流が揃っていました。ピアノがハネケン(羽田健太郎)さんじゃなかったら、あの「勝手にしやがれ」にはなっていないし、いわゆるジュリーのサウンドにはなっていなかった。ハネケンさんのサウンドは別格です。僕は運がよかったと思います。

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