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船山基紀編曲家

1951年、東京都生まれ。編曲家。デビュー作は中島みゆき「アザミ嬢のララバイ」。昨年死去した作曲家・筒美京平と組んだ作品が一番多く、沢田研二、渡辺真知子、田原俊彦ら数々のヒットを飛ばした。昨年12月に編曲を手がけた作品を収録した「船山基紀 サウンド・ストーリー」(ソニー・ミュージックダイレクト、CD4枚組72曲)をリリース。

「船山君は筒美京平が嫌いでしょ?」と言われてドキッ

公開日: 更新日:

 数々のヒットを飛ばした作曲家の筒美京平さんが昨年10月に亡くなったが、筒美さんとともに昭和から平成の音楽シーンを演出してきたのがこの人、編曲家の船山基紀さんだ。筒美さんとの秘話の数々、黒子に徹しながらヒットメーカーとしてスターに接してきたエピソードを語ってもらった。

 筒美さんとの出会いがなければ、今の私はありませんね。それぐらい大切な人です。出会いも衝撃的でした。

 最初の出会いは中島みゆき「アザミ嬢のララバイ」(1975年)のデビュー後、フォークソングブームの中で仕事が波に乗ってきた頃です。突然、先生から連絡がありましてね。僕は25歳。あの「サザエさん」の作曲家からご指名をいただいて……、え、僕なの? とまず驚きました。

■初仕事は太田裕美「都忘れ」

 先生との初仕事は太田裕美の「都忘れ」(76年)です。普通、フォークの場合、レコーディングまでの1週間ほどの間に譜面を書くんです。ところが、打ち合わせで先生に呼ばれたのがレコーディング前日の夜10時でした。場所は六本木にある筒美京平事務所。行ってみたら立派なマンションで「すごい所に住んでるんだな」って思っていたら、「ここは仕事場で家は別だ」っておっしゃるから、びっくりしたのを今でも覚えています。

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