五輪聖火リレーを完全中継するNHKの意気込みと落とし穴

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 さすがにNHKは、「何十年に1度の歴史的イベントですからね」(東京オリ・パラ実施本部スタッフ)と、聖火リレーの中継にも力の入り方が違う。「あさイチ」を短縮して、9時から式典とスタートを中継し、夜も特別番組「聖火リレースタート みんなでつなぐ東京2020へ」を予定している。以降も毎日、その日のリレーの様子を伝える「デイリーハイライト」を深夜に放送、インターネット「ライブストリーミング特設サイト」でゴールまですべてをライブ映像で流す。

「放送技術の関連会社『NHKテクノロジーズ』のベテランを統括責任者に起用して、47都道府県の全コースを歩いてロケハンしました。車が通れないところは自転車にカメラをセットしたり、山道は山岳専門のトレイルカメラマンも起用します。もちろん、ドローンも多用することになる。聖火リレーの完全中継はこれまでの大会ではなかったことで、ネットで世界中に同時に流れます。NHKとしては、撮影・放送技術の高さを各国のメディアにPRするいいチャンスでもあるんです」(NHK関係者)

 しかし、福島では東京電力原発事故汚染による帰還困難区域はもちろん走らないし、除染で出た土などを詰めた黒いフレコンバッグが積み重なっている映像は、中継に映らないように移動したという。TOKIOが聖火ランナーを辞退したのは、「スケジュールが合わないため」と説明されているが、実際は、DASH村のある浪江町津島はいまだ避難生活を強いられているのに、“復興五輪”などと浮かれるわけにはいかないからだろう。

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