平野悠
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平野悠「ロフト」創業者

1944年8月10日、東京都生まれ。71年の「烏山ロフト」を皮切りに西荻、荻窪、下北沢、新宿にロフトをオープン。95年に世界初のトークライブ「ロフトプラスワン」を創設した。6月、ピースボート世界一周航海で経験した「身も心も焦がすような恋」(平野氏)を描いた「セルロイドの海」(世界書院)を刊行。作家デビューを果たした。

3月に死去したポンタさんはロフト立ち退きに猛反対した

公開日: 更新日:

 ロフトから巣立ったサザンオールスターズのコンサートでドラムを叩いたり、メンバーのソロアルバムに参加したり、そういえばポンタさんのアルバムにサザンの桑田佳祐さんが、ボーカルで参加したこともある。

 夜中にワーワーギャーギャー言いながら酒を飲み交わすという機会もあったけど、2人だけで連れだって朝まで飲み歩くとか、そんな付き合いだったわけでもない。

 でも、ポンタさんとは<通じ合っているモノ>は多かったように思う。

 94年、新宿ロフトが都市再開発を理由に退去を迫られた。私たちは、裁判を含めて「負け犬にはなりたくない」と徹底抗戦することを決断した。

 すると熱いメッセージが届いた。

「新宿ロフトと知り合って毎夜というか、毎早朝までというか、連日多くのミュージシャンとセッション、交流を重ねさせていただきました。その中から、いろいろなグループがロフトから飛び立ち、発展・展開していった音楽は、現在の日本の財産と表現しても良いでしょう。私自身、あの新宿ロフトでの集いがなければ、現在の自分があるかどうか? このような創作空間が消滅していくことは、大きな損失だと痛感しています。立ち退きに絶対反対の意思を表明したいと思います」

 ポンタさんは日本のロックを育ててくれた。改めて言う。ありがとう!

【連載】ロフト創業者が見たライブハウス50年

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