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北島純映画評論家

映画評論家。社会構想大学院大学教授。東京大学法学部卒業、九州大学大学院法務学府修了。駐日デンマーク大使館上席戦略担当官を経て、経済社会システム総合研究所(IESS)客員研究主幹を兼務。政治映画、北欧映画に詳しい。

アカデミー賞の主役はNetflix! コロナ禍の必見映画ガイド

公開日: 更新日:

 政府はコロナ禍の緊急事態宣言について6月20日まで延長する方針を決定。映画館の営業は一部再開したものの、自宅や自室で過ごす時間はいやが上にも増えるばかり。だが昨今は居ながらにしてNetflixやアマゾンプライムなどで大いに映画を楽しむこともできる。ハリウッド事情にも精通する社会情報大学院大学特任教授の北島純氏にオススメ作品をあげてもらった。

  ◇  ◇  ◇

 4月25日に発表されたアカデミー賞、今年の隠れた主役は実はNetflix。これまでアカデミー賞の候補になるにはロサンゼルス郡内の映画館で1日3回、7日間以上は実際に上映されている必要があった。しかし、昨年はコロナ禍で映画館の閉鎖が相次いだため、今回に限ってネット配信作品も審査対象に含まれることに。その結果、Netflix品が実に16本、38部門でノミネートされアカデミー賞を席巻する形になった。

■「Mank/マンク」の満喫ポイントは事前情報にアリ

 中でも注目されたのが「Mank/マンク」。最多となる10部門にノミネートされ、撮影賞と美術賞を獲得した。監督は「セブン」等で知られる鬼才デビッド・フィンチャー、Netflixと4年間の専属契約を結ぶ中で快挙を遂げた。映画史に残る金字塔「市民ケーン」(1941年)の脚本を書いたマンクことハーマン・マンキーウィッツを描いた作品で、映画黄金時代である1930年代ハリウッドの内実劇がモノクロで描かれる大人向け映画。主役ゲイリー・オールドマンが見せる熟練の演技と古式ゆかしい映像が素晴らしい。満喫するポイントは出来る限り事前情報を仕入れておくこと。オーソン・ウェルズの「市民ケーン」は必ず見返しておきたい。ちなみに市民ケーンのモデルとなった新聞王ハーストを「Mank/マンク」では、「ゲーム・オブ・スローンズ」のタイウィン・ラニスター役でお馴染みの名優チャールズ・ダンスが演じている。

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