“新顔”繚乱の花形歌舞伎! 大抜擢に応える巳之助、鶴松が熱演

公開日: 更新日:

 8月の歌舞伎座は「花形歌舞伎」で、若手中心の座組。第1部「加賀見山再岩藤/岩藤怪異篇」は市川猿之助が主演で6役を演じる予定だったが、7月29日に定期的なPCR検査で「陽性」となり、急きょ、坂東巳之助が代役となった。代役の発表が30日、初日は3日なので、4日しか準備期間はないが、代役とは思えないほど、破綻なく演じていた。

 6役の中には女形もあるが、かくし芸的ではない。巳之助は歌舞伎座では大役がまわってこないポジションだが、これでブレークできるか。

 第2部は中村屋による2本立て。「真景累ケ淵/豊志賀の死」は三遊亭円朝の怪談の歌舞伎化。ポスターの序列では3番目だが、物語上の主役・新吉に、中村鶴松が起用された。鶴松は18代目勘三郎の部屋子からスタートし、いわゆる「御曹司」ではない。花形歌舞伎とはいえ、大抜擢だ。

 新吉は自分から物語を引っ張っていくのではなく周囲に翻弄される役なので、その戸惑いぶりが当人とシンクロして、いい味となっている。声もセリフ回しも勘九郎そっくりだが、それでいてまったく違う雰囲気。脇にまわった勘九郎は、舞台に出るだけで空気が変わる。貫禄が出ている。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  2. 2
    「ダルよりすごい」ムキムキボディーに球団職員が仰天!プロ3、4年目で中田翔より打球を飛ばした

    「ダルよりすごい」ムキムキボディーに球団職員が仰天!プロ3、4年目で中田翔より打球を飛ばした

  3. 3
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

  4. 4
    22年は尻回りが推定1.5倍に増大、投げても打ってもMLBトップクラスの数値を量産した

    22年は尻回りが推定1.5倍に増大、投げても打ってもMLBトップクラスの数値を量産した

  5. 5
    若林志穂が語った昭和芸能界の暗部…大物ミュージシャン以外からの性被害も続々告白の衝撃

    若林志穂が語った昭和芸能界の暗部…大物ミュージシャン以外からの性被害も続々告白の衝撃

  1. 6
    橋下徹氏&吉村知事もう破れかぶれ?万博の赤字に初言及「大阪市・府で負担」の言いたい放題

    橋下徹氏&吉村知事もう破れかぶれ?万博の赤字に初言及「大阪市・府で負担」の言いたい放題

  2. 7
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  3. 8
    大谷の2023年は「打って投げて休みなし」…体が悲鳴を上げ、右肘靭帯がパンクした

    大谷の2023年は「打って投げて休みなし」…体が悲鳴を上げ、右肘靭帯がパンクした

  4. 9
    「横浜愛」貫いた筒香嘉智 巨人決定的報道後に「ベイスターズに戻ることに決めました」と報告された

    「横浜愛」貫いた筒香嘉智 巨人決定的報道後に「ベイスターズに戻ることに決めました」と報告された

  5. 10
    河野太郎大臣「私は関わっておりません」 コロナワクチン集団訴訟で責任問う声にXで回答…賛否飛び交う

    河野太郎大臣「私は関わっておりません」 コロナワクチン集団訴訟で責任問う声にXで回答…賛否飛び交う