著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

“スター選手”沢村忠は野口修社長の目を盗んで銀座の竜宮城へ

公開日: 更新日:

 山口洋子が自身の愛称を店名にクラブ「姫」を銀座に開店したのが1959年。そこから、銀座7丁目、5丁目、8丁目、6丁目と転居を繰り返し、休業期間もありながら営業を再開させ、6丁目に戻って来たのが60年代後半のことである。

 これまで文壇や政財界の重鎮がこよなく愛してきた銀座の高級クラブには「インテリの話が理解できないようではホステス失格」と、大卒の才媛や良家の未亡人ばかりが採用された。その日の株価と為替がいくらか知っておくのはホステスにとって必須で「これじゃ太刀打ちできない」と悟った新参の山口洋子は、若くてとびきり美しい女を片っ端から集めた。「株価も為替も知らなくていい。なんだったらバカでもいい。日経新聞なんて読む必要ない。話を合わせる必要もない。女が美しければ男の方から話を合わせてくるんだから」という経験に基づいた確固たる信念が洋子にはあった。

 それもあって「姫」には「銀座はハードルが高い」と敬遠してきた高給取りのスポーツ選手、主にプロ野球選手がこぞって顔を出した。金田正一、野村克也、豊田泰光、張本勲……。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景