ドラマ「昼顔」に作画が起用される 北村直登さんが語る“画家の成功”とは

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 2014年の連続ドラマ「昼顔」(フジテレビ系)で作画起用された画家の北村直登さん(42)は、2万4000を超える圧倒的な作品数で全国各地で個展を開催している。9月20日に幕を閉じた大分市美術館で行われた個展には2万人を超える来場者が足を延ばした。ただ、クリエーティブを生業とする人の成功の定義はとても曖昧で、特に画家として成功を収めているのはたった一握り。そんな厳しい世界で生きる北村さんにとっての「成功」とは、「明日画家でいるために今日絵を描く」こと。たったそれだけだという。

「求められた役割を全うするために『ソフトとして優秀である』ことを常に意識しています。ソフトとして優秀ならば、どんな企業相手でも対等に仕事ができるし、現実的な問題の処理も可能になってきます。求められるようにコントロールしていく、その土地での役割をつくっていくためには、まずどんなむちゃ振りでも応えられるスキルを得ることが大切だと思っています。だから僕は“画家”という肩書にはこだわっていません。マインドで画家が決まるのではなくて、絵を描いて売って、役に立って、僕はその時だけ『画家』でいられるのです」

「画家である」という目的のために絵を描くのではなく、求められたものに応えるために絵を描く。そんな北村さんの姿勢には欲がない。営業をしたことも一切ないという。

サッカーの価値観を絵で置き換えた

「僕はサッカー少年で、ブラジルにまで留学しましたが、ある時どんなに才能があっても一生続けられる仕事じゃないことに気づいたんです。そして一生積み重ねていける仕事で、かつ自由でいられて、人の役に立てることは何かと思い、紆余曲折を経て、ストリートで絵を売り始めました。画家の中では、自分の好きなものを描いて成功したいし、お金も稼ぎたいという方も多くいますが、相反するものを2つ立たせて成立することはまずない。そんなふうに割り切れるのも、勝ち負けという結果が必ず出てしまうサッカーで鍛えた価値観がベースにあるからだと思います。画家はある意味、一生を通した長丁場の試合をやっているようなものといえます」

 サッカーでも長丁場を戦える選手は強い。北村さんは長時間描くこともできる、毎日描くこともできるという強みを伸ばしながら、ウイークポイントをいかに出さないか、という視点でずっと描き続けたという。

「上がったら落ちることを常に想定しながら日々を生きています。だから上がることよりも、どれだけ遠くに長く飛んでいられるかを考える。世間一般で言われている僕の成功は、皆さんに下駄を履かせてもらっているだけに過ぎません」

 個性豊かな北村さんの作品には、良い意味での「諦観」が付随している。体育会系のマインドのまま毎日、絵と向き合う北村さんだからこそ生まれた「個性」だろう。

(SALLiA/歌手、音楽家、仏像オタク二スト、ライター)

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